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ここでは、本サイトのテーマ:構造デザインに関連するちょっとしたニュース、

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05/11/11

コールハースの北京、CCTVの構造 (アラップジャーナルより)(PDFファイル)

以前より話題であったレム・クールハース設計の北京のテレビ局:CCTVの設計が進行中です。 構造設計は名・実ともに世界最大の構造コンサルタントであるARUP(アラップ)

そのアラップが発行する機関紙:アラップジャーナルにこのCCTVの構造設計概要が紹介されています

中国じゅうに「危ない建物」(笑)として知られているCCTVを、ARUPが世界にはり巡らせたネットワークを生かし、威信をかけてデザインしています。

鎌首をもたげたような上層部のオーバーハング、日本と同様な厳しい耐震設計、中国建設省の委員の承認獲得(日本で言う建築センター評定)、 など聞くだけで難題山積みです!

英語ですが分かりやすいCGなどで概要を知ることができます。

他のアラップジャーナルの記事はコチラ

05/8/17

「巻き上げ式」の歩道橋:ローリングブリッジ

「ナニこれ?」と言わずはいられない、ロンドンの可愛らしい歩道橋です。

パディントンのビジネス街区にかかるこの橋は、尺取りムシのように、巻き上がってしまう仕組み。 ロンドンの若いデザイナー:Thomas Heatherwick氏(35)によるもの。

台形をした手すりパネルの間に一種のパンタグラフ機構が仕組まれており、油圧で制御することで パネル同士が近づき、最終的にくっついてロール状となるもの。

「橋」というよりは、「渡ることが出来る彫刻」と言ったほうがいいかも。

あわただしいビジネス街にこういうものがあると楽しくていいですね。

リンク先 の「PLAY」で巻き上げの様子をQUICKTIMEで見ることが出来ます

こちらのサイト もどうぞ

05/8/08

カラトラバがシカゴに超高層をデザイン  (arcspaceより)

今や飛ぶ鳥を落とす勢いのサンティアゴ・カラトラヴァが、米の超高層のメッカ、シカゴに アメリカいちの高さとなる超高層ビルを計画しています。

ミース・ファン・デル・ローエの傑作:レイクショアドライブのそばで、 らせんを描くガラス面が特徴。パーティードレスをまとった女性のようにも見えます。本体高さが約440m、尖塔部で600m!

計画した不動産社名より「Fordham's spire:フォーダムのラセン」と名づけられています。

高級ホテルやコンドミニアムなどを含み、フロアごとに異なる方向への眺望が可能なのが利点。 またこの不均質の壁面のため、受ける風圧力も小さくなるとのこと。

ラセン(スパイラル、ねじれ)形態の超高層はどうも最近の建築界のハヤリのようで、 他にはカラトラヴァのターニング・トルソや氏の故郷バレンシアにも同じ形態のタワー(計画中)、 伊東豊雄のバルセロナのタワー、また日本でも日建設計が名古屋に計画中とのことです

05/6/22

フライ・オットーの展覧会

ミュンヘン・オリンピックスタジアムの設計で知られるドイツの建築家:フライーオットー氏の 回顧展覧会が地元のミュンヘン美術館にて、開催されています。

オットー氏は上記スタジアムに代表される、軽量構造に関する第一人者で、 昨年10月には、英国の権威あるRIBAゴールドメダルも獲得しています。

写真は丹下健三氏とのスタジアム計画。

実際に見に行くのは難しいですが、内容をまとめた本が出版されると思われます

関連サイトオットー氏に関するサイト     美術館のオフィシャルサイト
       海外のニュースサイトでの紹介記事

05/6/01

構造家:佐々木睦朗氏の展覧会:「FLUX STRUCTURE」

都内、乃木坂のギャラリー間にて、 構造設計家、佐々木睦朗氏の展覧会 「FLUX STRUCTURE」が、6/1から開かれています。

佐々木氏は近年、伊東豊雄氏の福岡アイランドシティ、妹島和世 (SANAA)の金沢21世紀美術館などの作品を手がけており、非常に話題性の高い構造家です。

建築デザイン系のギャラリーであるギャラリー間で、このような構造家の展覧会が開かれるのはある意味特殊で、 それだけ氏の注目度を物語っています。

会期中には、会わせて伊東氏、妹島氏、磯崎新氏との対談(講演会)も予定されています。 また、展覧会を要約した本が出版されています(上写真)

関連サイト佐々木睦朗をひも解く

ギャラリー間を運営するTOTOのサイトにて、建築ジャーナリスト淵上正幸氏が佐々木氏に インタビューした内容が掲載されています

05/3/27
丹下健三氏が逝去
代々木体育館
日本が誇る、「世界のタンゲ」:建築家の丹下健三氏が3/22, 心不全のため逝去されました。91歳でした。

氏は言うまでもなく、戦後の日本を代表する建築家で、数々の名建築を世に送り出しました。

特に東京オリンピックのための国立屋内競技場(代々木体育館)、大阪万博のためのお祭り広場 、広島の平和記念公園など、戦後の日本の重要プロジェクトにかかわり、日本株式会社、建築設計部長ともいうような役割を果たしました。

また’91に完成した東京新都庁は、豪華さから"tax tower"などと批判されもしましたが、 江戸格子とICチップをモチーフとした緻密なデザインは周囲を圧倒し、いまや東京のシンボルとなっています。

その他にも日本の伝統的な木割りをコンクリートで見事に表現した香川県庁舎、 HPシェルを壁として用いた東京カテドラル など数えればキリがありません。

中でも光るのは、やはり代々木体育館でしょう。当時、 世界で最大規模の吊り構造を採用したという点もありますが、あの有機的な造形は、やろうと思って出てくるものではありません。 しかも2つの主、付属体育館がそれぞれ強烈な個性を持ちながらもお互いに緊張関係を持って向かい合っているさまは、 40年経った今でも全く色あせることがありません。


丹下氏が逝去し、日本の建築界は大きな節目となりました。氏の足跡はあまりにも大きく、 氏のような人物は、おそらくもう出ないでしょう。

今年はアメリカでも、氏と同じく近代建築の巨匠、フィリップジョンソンも亡くなっています。

高齢であったとはいえ、やはり本当に残念です。冥福をお祈りいたします

05/3/16 ヨルグ・シュライヒ氏による高さ1000mのソーラータワー HOT WIRED JAPANより

オーストラリア内陸で、壮大な計画が進行しています。

直径7km、高さ1000mの規模を持つ太陽熱発電所: ソーラータワーです.

この施設は、地面に円形に太陽光集積装置が配置されています。この装置下の空気が太陽光で暖められ上昇気流を作り、最終的に中央のタワー(煙突)へ集められます。

この空気がタワーを上へ突き抜けると内部のタービンを回し発電する、という仕組みになっています。

本計画を構想、設計したのはドイツの構造技師のヨルグシュライヒ氏。

シュライヒ氏は有名建築家からひっぱりダコの構造家ですが、それとは別の一面として、本案では、環境まで考えた、 単なる構造技師の域を超えた壮大なコンセプトを展開しています。

記事によると本計画を推進するメルボルンの エンバイロミッション社が、実現への一歩としてオーストラリア内陸の牧草地を買収したと報告しています。

問題は莫大な工事費で、これを抑える方法を検討中とのこと。

完成には障害が横たわってるでしょうが、石油、原子力に代わる完全なクリーンエネルギーとしてぜひとも実現が望まれます。
05/3/16 新東京タワーの誘致が大詰め(ライブドアニュースより)

今度は日本のタワーのお話。

現在の東京タワーに変わる、デジタル放送用タワーの 新東京タワーを都内各区が誘致に躍起になっており、その選定作業が大詰めの局面を迎えています。

現在立候補しているのは、さいたま市、足立区、練馬区、豊島区、台東区、墨田区の6団体。

日本放送協会:NHKと民間放送局による委員会は3月末までに候補地を決定する(複数に絞り込む)予定です。
タワー高さは約600mで、現在の世界最高:カナダCNタワーを追い越すことになります。

外見は、いずれも先細りの三角形立面で、デザイン的にはちょっと寂しい印象。 まあ、600mともなると構造合理性最優先となるでしょうが。中心にRCシャフトを設け、外周を鉄骨あるいはケーブルなどで補強する、という案が多いようです。

どうせつくるんであれば、単に高さ(量)が世界一というだけでなく、クオリティ、デザインの面(質)でも世界に誇れるものとしてもらいたいものです。

この計画は行政自治体、放送業界、建設業界を巻き込んだ超ビッグ・プロジェクトで、莫大なお金、利権が動くこと必須ですから、各区は必死でしょう。

一般市民レベルとしてはTVを買い替えなければなりませんから、これまた家電業界も激しいバトルとなります。

私が聞いたエピソードでは、タワー頂部に取り付けるパラボラアンテナは、NHKが一番上、と決まっているそうです。その下を、高い位置ほど当然遠くに電波が届きますから、各民間TV局が激しく、熾烈に!陣取り合戦を繰り広げるそうです。

あちこちで各業界の利権をかけた争いが行われているんですね。
都内の料亭はフル稼働かな(ウソ)。
05/3/16 MOMAのtall buildings

またもや高層建物のお話。

ニューヨークの MOMA(近代美術館)にて昨年 「tall buildings」と題した展覧会が開かれました。本サイトはこの内容をweb上に公開したもの。

その名の通り、世界の高層建物を紹介する、という、文にすると単純なものですが(笑)、内容は非常に充実しています。

単純な高さくらべだけではなく、構造システムやスキン(ファサード)、動線計画などについてもわかりやすく紹介されており、英語が読めなくても十分楽しめます。

それにも増して気を引かれるのが、Flashを用いたwebデザインで、非常に洗練されています。さすがNYのMOMA!といった感じでしょうか。

現在、施工中のものや未完の案も含まれており、ちなみに世界最高はシカゴのディアボーンビル。

他にもコールハースの(物議をかもしている)北京のテレビ局:CCTVや NYの新ワールドトレードセンター、カラトラバのねじれた形態のTURNING  TORSO、また日本のものとしては磯崎新氏のJR上野計画などが紹介されています。

05/2/19 景観開花。:橋梁コンペ結果が発表

2/12まで開かれていた土木学会、東北大学などによる土木デザイン展:「景観開花。」において、同時開催されていた橋梁コンペの審査が行われ、各賞が発表されました。

最優秀案は東野 さやか、南 俊允 両氏で、"vanishing bridge"=消える橋という案で、山腹から飛び出したブリッジが先端で消えてなくなる、というもの。審査結果

橋といえば2点間を結ぶもの、という既定概念を打ち破る、若々しいアイデアといえます。

他にも、空中歩廊的な "PARK BRIDGE "などが選ばれています。
05/2/10 伊東豊雄氏のTOD'S 表参道ビルが完成

施工中から話題だった
伊東豊雄氏設計のTOD'S(トッズ)表参道ビルが完成、昨年12/10にオープンしました。構造設計はオーク構造設計新谷眞人氏。
表参道のケヤキをモチーフとした外観が特徴的です。

構造的には、この建物外周を覆うケヤキの枝を斜め柱(柱、ブレース兼用)とし、鉛直荷重、および地震荷重を負担するメインの構造体とさせています。そのため屋内には構造体が全くなく、厚さ50cmのフラットスラブが床として存在するのみ。

構造エレメントが床と柱しかないという点では せんだいメディアテークと同じだといえます。しかしその解決方法:ソリューションは2つでは全く異なっています。

画像は右記サイトでもどうぞ     arch'it    
05/1/10 カラトラヴァが2005の米AIAゴールドメダル受賞

アテネオリンピックメインスタジアムをデザインしたS.カラトラヴァがアメリカの建築家協会AIAの2005年ゴールドメダルを受賞しています。

カラトラヴァ  オフィシャルサイト:calatrava.com
05/1/10 N.フォスターのミラウ橋が完成(英 BBC NEWSより)

ノーマン・フォスター卿設計のフランスの道路橋:ミラウ橋(Viaduc de Millau)が完成しています。本橋は道路レベル高さが約300mあり、”世界一高い橋”となっています。(エッフェル塔より高い)

仏大統領:J・シラク氏の出席のもと、04/12/6に開通式:渡り初めが行われました。

ミラウ橋 オフィシャルサイト:  le viaduc de Millau
05/1/10 ロンドンなどが2012オリンピックを誘致(Architectural Recordより)

北京の次の2012年オリンピックに向けてロンドンなどの各都市が誘致を図っています。
立候補地はロンドン、パリ、マドリッド、ニューヨーク、モスクワと大国の首都(除NY)ばかり!
国家の威信をかけ、各地とも会場の計画案を発表しています。

建築的に興味深いのはLondonのスタジアムで、植物の葉っぱを思わせるシェル屋根が観客席を覆っています。設計は横浜大さん橋ターミナルで話題となったFOA:フォーリン・オフィス・アーキテクツ。

開催地は今年7月のIOC総会にて決定されます。
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