| 「白い橋」 | サンティアゴ・カラトラバ / ビルバオ・スペイン Campo Volantine Footbridge:zubi zuri / Santiago Calatrava / Bilbao, Spain | 
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| 真っ白なアーチと繊細な吊りケーブルがビルバオの青空に映えるカンポ・ヴォランティン橋。 | 
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 直径264mm、板厚50mmのエレガントな斜めアーチが歩道面を吊っています。 アーチは座屈しないのか心配になるほど細いプロポーションです。 全体構造はオーステルリッツ橋、アラメーダ橋で探求された斜めアーチ構造を採用し、 大幅に進歩されています。 過去作品ではアーチの面外座屈を止めるため、床の吊材を面外剛性を持つ板材としていました。 しかし本橋では、それをペアのケーブルを断面で見たときに三角形状になるように 張ることで、同等の効果を得るように改良しています。(図1) これにより後のヨーロッパ橋 などにも見られるように格段の透明性、優美さが得られるようになりました。   | 
    図1. 斜めアーチ橋の吊材 | |
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 床面から伸びる吊りケーブルは一般的なアーチ橋の平行配置とは異なり、アーチ中央へ向かうような配置になっています。
 なお、この配置によるアーチへの力の入り方のために、そのカーブは図のような、 放物線と三角形の中間のような形態となっています。(図2) |    図2. 吊りケーブルの配置と最適なアーチの形態 
A:一般的な平行配置:放物線アーチ  | |
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 アーチ同様、歩行面も弓なりにカーブした平面になっています。 この下をアーチ両端を結ぶようにトルションチューブが一直線に走っています。 トルションチューブはアーチが開こうとする力=スラストを打ち消す引張材: アーチタイとしての役割と、床面に作用する非対称荷重をねじれ力 :トルションで抵抗する、という二つの役割を担っています。 平面でみると、トルションチューブの上側と下側の床の面積はほぼ等しく、 これにより非対称による橋自重のねじれ力=トルションは最終的に部材端部では釣り合います。(図3) 橋の自重によるねじれ力はこのように釣り合わせ、歩行者の荷重により生じたねじれ力はトルションチューブで処理します。  斜めアーチ構造では床面に水平力、水平モーメントが作用するため、
これに抵抗する構造が必要です。(アラメーダ橋のページ参照) |    図3. 全体の平面図 トルションチューブの上下:上図のAとBの面積はほぼ同じであり、
橋自重によるねじれは端部では釣り合う。 | |
|   ■アテネの屋根に転用 本橋の完成より数年後にカラトラヴァは
アテネオリンピックスタジアムの設計を行うことになりました つまり両者はその用途、規模は全く異なるものの、全く同じ構造システムなのです。     ※考えてみよう!  
 |     アテネ:オリンピックスタジアム | 
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| '07/09/07 upload | ▲ page top |